Advent Calendar 2017 | カオスの坩堝 https://anqou.net/poc Chaos is not kaos. Sun, 31 Dec 2017 14:11:24 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.1.1 https://anqou.net/poc/wp-content/uploads/2018/02/9dc10fe231765649c0d3216056190a75-100x100.png Advent Calendar 2017 | カオスの坩堝 https://anqou.net/poc 32 32 #ファボされた数だけ月ごとに1年を振り返る https://anqou.net/poc/2017/12/31/post-952/ https://anqou.net/poc/2017/12/31/post-952/#comments Sun, 31 Dec 2017 14:11:24 +0000 https://anqou.net/poc/?p=952 年の瀬です。皆さん年賀状は出されましたか。ちなみに私は一枚も出していません。誰かからきたら手書きで返します。

満を持してAdvent Calendar 2017の閉幕です。嘘じゃないです。まとめはこの間やったので、今日は普通に書きます。

もともとは「年賀状ソフトがいかに使いにくいか」について書くつもりだったのですが、あまりにも書きたいことが多すぎてうまくまとまりませんでした。これはOfficeやらUnixやらと結びつけて別の機会に記事にすることにします。

ということで今回はTwitterの流行りに乗っかってこちら。

#ファボされた数だけ月ごとに1年を振り返る

(21時現在で9ファボしか来てないけど、12月まで書きます。)

1月

まだこの頃は受験生だったんですね。あんまり記憶がない。多分センターの勉強をしていました。どうしても国語の点数が上がらなくて、HonWaka_Mikanから譲ってもらったセンター国語の問題集をやっていました。結局最後まで上がりませんでしたけど。センター試験場でTDJが騒ぎまくっていたせいで、場の雰囲気が模試でした。休憩時間にコリドールとかやった気がする。

センターが終わった後は二次の過去問をひたすら解いていました。やっぱり国語ができなかった。

勉強以外では、融合不定記で連歌をやっていました。正月から始めたんですが結構難産で、最終的に巻き上がったのが3月末であるのは『融合不定記』に書いたとおりです。

2月

勉強していました。二次試験が2月終わりで、それが終わった後は後期の勉強をチョロチョロ。

3月

受かってバンザーイってなった後から、『融合不定記』の編集に本格的に取り組み始めました。2017年前半のハイライト。一日に10時間ぐらいPCに向かっていました。肩こりから夜中の2時に吐いて病院に行ったりもしましたが、めっちゃ楽しかった。3月中に全ての作業を終わらせる予定が、カギカッコの組版などで妙なこだわりを見せたために4月にずれ込みます。

あと大学の入学手続きが死ぬほど面倒だったような気がします。送ってきた「やるべきことリスト」の他に色々やらないといけなかったり、別で申し込まないといけない生協のことについて何も教えてくれなかったり、下手な事務のお手本みたいな感じがしていました。

この頃「艮鮟鱇」名義でTwitterアカウントを作りました。情報収集できるという意味では、Twitterは本当に便利でした。

4月

できないと思っていた友だちができたり、入ると思っていたサークルに入らなかったりしました。この時にできた友だちは今も仲が良いですし、サークルには今でも入っていません。

ビラロードを、貰うビラ1枚でくぐり抜けたりしました。この話をwettoが他人との会話で使って人間関係を円滑にしていたようです。

5月

『融合不定記』の製本をして、6月にかけて著者の皆さんに送ったりしていました。

あと微積わからんって叫んでいた気がする。記憶がない。

6月

何とは言わん事件があったりして、季節外れの五月病になったりしていました。この辺りからTwitterを一時休止。

neitengさんとAIを戦わせるゲーム企画をしたりしていましたが、双方忙しくなって頓挫。いつのまにかneitengさんは9月あたりにBlokusのAIを作っていました。

センター以来やっていなかったコリドールで遊び始めます。Slack上で遊べるプログラムを書いたりしてワイワイしていた記憶。

7月

試験だ!うわぁ!って言いながら試験を受けました。まぁダメだろうなぁと思っていたら単位が降ってきたのでびっくり。

気が緩んでTwitterを再開しました。

8月

9月にかけて自動車学校という魔の巣窟に行く。自分にはあまりにも相性が悪く吐きそうになりながら通う。

9月

なんとか免許を取る。卒業する時にアンケートの提出を求められたので、怨嗟の念で真っ黒に埋める。本来一行で書くべきところに三行で書いたりした。個人情報の観点から画像を上げられないのが本当に残念。

Go言語で遊び始めました。色々とクソコードを量産していた記憶。鼻くんが話題になっていたので、これを盛り込んでいくつか遊んだ。

10月

葡萄ジュース飲み比べ大会をSTART主導でやりました。楽しかった。

月末から蟻本勉強会が始まって、初回から発表者を担当したりとかしていました。二度と競技プログラミングなんてやるものかと思っていたんですが、人は変わるものですねぇ。

11月

NFが色々と行われていましたが、びっくりするくらい興味がなかったので、不穏が生まれるのを見ながらキャッキャ言っていました。今思えば本当に不謹慎。

そんな中、いきなりAdvent Calendarをする話が持ち上がります。実のところ、当初はそんなにやる気が無かったのだけど、元融合不定記民の勢いに押されてサーバーを借り、「カオスの坩堝」を立ち上げました。わーい。

12月

文章を投稿するだけの、どう考えてもそれほど面白くもないサイトに続々と人が集まってきてびっくりしていました。もはやサークル。規模が大きくなってしまって、楽しいのと同時に不安も抱えつつ、まぁなんとかなるっしょと思い続けています。

まとめ

楽しい一年でした。大学生は数人友人ができれば良い方だと聞いていたのですが、もっとたくさんできたのが本当に嬉しい。彼女はできませんでしたけどネ。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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https://anqou.net/poc/2017/12/31/post-952/feed/ 2
(データが消えました、僕にはどうすることも出来ません) https://anqou.net/poc/2017/12/29/post-901/ https://anqou.net/poc/2017/12/29/post-901/#respond Fri, 29 Dec 2017 12:15:07 +0000 https://anqou.net/poc/?p=901 Tmについて書いていました。さっき完成したのです!保存しようと思ったのです、でも間違えて消したのです。いやマジです、僕にはどうしようも出来ません。
メンタルがブレイクしております。
今度、精神が安定した時にもう一度なにかしらかこうと思います。

どうしようもないのでいつも通りこれを貼っておきます。

朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク
朕ハ帝國政府ヲシテ米英支蘇四國ニ對シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ

抑ゝ帝國臣民ノ康寧ヲ圖リ萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々措カサル所
曩ニ米英二國ニ宣戰セル所以モ亦實ニ帝國ノ自存ト東亞ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他國ノ主權ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス
然ルニ交戰已ニ四歳ヲ閲シ朕カ陸海將兵ノ勇戰朕カ百僚有司ノ勵精朕カ一億衆庶ノ奉公各ゝ最善ヲ盡セルニ拘ラス戰局必スシモ好轉セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス
加之敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ慘害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル
而モ尚交戰ヲ繼續セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ
斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ
是レ朕カ帝國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝國ト共ニ終始東亞ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ對シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス
帝國臣民ニシテ戰陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内爲ニ裂ク
且戰傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ
惟フニ今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス
爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ
若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ亂リ爲ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム
宜シク擧國一家子孫相傳ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ
爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ

御名御璽

昭和二十年八月十四日

引用 wikipedia 玉音放送

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https://anqou.net/poc/2017/12/29/post-901/feed/ 0
瀋陽のお寿司 https://anqou.net/poc/2017/12/28/post-861/ https://anqou.net/poc/2017/12/28/post-861/#comments Thu, 28 Dec 2017 14:53:17 +0000 https://anqou.net/poc/?p=861 初めまして、中国東北の遼寧省瀋陽市  出身のCORALです。

私の故郷では、生魚が苦手な人がわりと(すくなくとも日本よりは)いる。生魚を好む人の割合が小さいからか、スーパーでも生食用のお魚はあまり見かけない。私は中国でサーモン以外の生魚食べたことがない。母はサーモンが好きでよく食べるけど、父は生魚がとても苦手で、おじいちゃんおばあちゃんの世代なら「生魚を食べる」という概念がないらしい。しかし、こんなところでもお寿司のチェーン店は人気を集めている。

 

「町田寿司」(dīng tián shòu sī)というチェーン店は高校の近くに店があるので、よく食べていた。

「お寿司」のお店のメニューはこちら。

….とりあえず巻き巻き巻き寿司

基本的にお米に具(メニューによって胡瓜、沢庵、卵焼き、ハム、かにかま、ツナ缶…)を乗せて巻いて切るパターンか、具を入れて巻いてから上に何かを乗せるパターンになる。醤油とわさびはこちらと同じだけど、なぜか隣によく薄切りした紅しょうがが飾られている。

こんな感じで宅配してくれるのでとても便利なので、よく友達とまとめて注文して食べていた。(左上は紅しょうが…)

辛味タコ(赤)と海藻(緑)がおすすめです(食べないだろうけど(* ´艸`))

 

「争鲜回转寿司」(zhēng xiān huí zhuǎn shòu sī)というチェーン店は実家の近くのデパートに店がって、何回か行ったことがある。

一皿約100円の回転寿司だけど、店によってテイクアウトのバラ売りコーナーもある。

ここのメニューは比較的に日本のと似ている。生魚はサーモン、鯖、マグロなど3~4種類で、焼き魚やかにかまサラダ、コーンサラダ、ツナサラダ、わかめ、辛味噌で炒めたタコやホタテなど色んなネタがある。調理済みの魚介類の割合が大きい気がする。

もちろん、分かる人しか分からない一部のレストランではちゃんと本場の味がある。本当の日本料理の値段と味を受け入れられる人は限られているかもしれない。

 

「お寿司が…こんな姿に…!」と思うかもしれないが、そうアレンジされるのも仕方ないと個人的に考えている。日本の中華料理みたいに、かなり現地の人の口や好みに合わせているだろう。

 

日本の中華料理についてどう思う…?

って聞かれたら空気を読んで「美味し!好き!」って答えるべきだけどどうしても反応が遅くて、微妙な表情がさきに察されてしまう。

全然まずいと思わないけど、中国では中華丼も天津飯も食べたことない。天津じゃなくて瀋陽で住んでいたから天津飯を知らないって思っていたが、天津の友達に聞いてみたら

天津飯ってあるの?!?!?!?魔剤?!?!??

って感じだった

中国でも「日本豆腐」(rì běn dòu fu)って円柱状の玉子豆腐っぽい食べ物が売っているのでお互いさま…

 

百度(bǎi dù)で「寿司」、「日本豆腐」、「天津饭」の画像を検索してみた。

 

瀋陽でよく食べていたお寿司について書いたけど、同じ中国でも場所によって食文化や飲食店が大きく違うかもしれない。

 

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calender 2017」の28日目の記事でした。29日目はniningaさん担当の予定です。

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https://anqou.net/poc/2017/12/28/post-861/feed/ 1
初雪の朝 https://anqou.net/poc/2017/12/28/post-841/ https://anqou.net/poc/2017/12/28/post-841/#comments Wed, 27 Dec 2017 16:54:12 +0000 https://anqou.net/poc/?p=841 この投稿は「カオスの坩堝 Advent Calender 2017」の27日目の記事です。

 

 

京都にこの冬初めての雪が降った朝のことだった。私は大学の1限を休んで下鴨神社へとお参りに来た。普通なら2限に間に合うギリギリまで寝ていたいのだが、今日はちがった。私は自殺の成功祈願にきたのである。

「上手く死ねますように。」

  こんなお願いを神様が聞き入れてくれるかどうか分からなかったが、とにかく何かに縋りたかったのだ。

「そんなに不安なら死ななければいい。生きてればいいことがある。」

   そんな言葉をかけてくる人なんて世界中に何十億といるだろうが、僕は固く決めたのだ。そもそも 良いことが無いから死ぬのではない。今病んでいる人には申し訳ないが、良いことなんて探せばそこら中にある。私は自分が生きている事が罪であると悟った、ただそれだけのことである。他の人のことは分からないが、自分のことは1番よくわかっている。自分は生きていても周りにプラスをもたらさないタイプの人間だ。どちらにせよ死ぬのであれば 膿んでしまう前に傷口を閉ざすべきだ。人に迷惑をかけるだけかけて自己満足で完結されそうな人生を早く終わらせてしまおう。

 

  私は参道の真ん中を寒さに震えながらも一歩一歩踏みしめて歩いた。この雪は積もるには小さく、脆い。継続した真面目な努力をしてこなかった私にはこの雪のように何も積もらない。積もるものがなければ、人に与えられるものもないのだ。

何かに躓いてしまってふと我に返った。神社の参道で躓くなんて縁起が悪い、なんて思ってしまった。死ぬと決めた日までは生きたいという気持ちをまだ持ち合わせていたとは、自分の強欲さが嫌になった。

 

  私が死のうと思っているのは4日後、今年の1231日だ。場所は自分の下宿先。年末のイベントを楽しむ人々に迷惑をかけないよう一人でひっそりと死ぬつもりだ。この日にした深い理由はないが、どうせ年末に死ぬならこの年と一緒にこの世から消え去ってしまおうと考えたからだ。実に曖昧な理由で死ぬ日を決めるとは、フィーリングで生きてきた私らしいと我ながら思う。

 

 ふと我に返り、着ていたコートをまくって腕時計をみると、1010分をまわっている。今から自転車で走ってギリギリ2限に間に合うかどうかだ。とりあえず走って下宿先へ帰り、自転車に飛び乗った。競輪選手のごとく前傾姿勢で空気抵抗をなるべく減らして、足に乳酸がたままってゆくのを感じながら全速力で走った。手の感覚がなくなってきた。10時を過ぎているとはいえ気温は3度を下回っていた。ただそんな体の末端とは裏腹に体全体は温まってくる。自分の生を感じていた。「命は短いから輝く」、誰が言った言葉だったか思い出せないが、死ぬことを決めた今、自分の命が輝いて見えた。そして、さっきまでお参りしていた下鴨神社の前の横断歩道を横切った瞬間、自転車の前輪になにか固い感触を感じた、それから間もなく後輪が跳ね上がり、僕は宙を舞った。

「あ、死んだな」

家族や今までの友達や先輩の顔が目の前にくっきりと浮かんだ。どの顔も本当に自分が見たのかと思うほど笑顔だった。その笑顔をすこし寂しい思いで見る自分と「これが走馬灯か」と感心している冷めた自分がいた。こういう時、人は周りがスローモーションになって見えると聞いたことがあるが、想像していたスローよりずっと早い。じっくり感傷に浸る間もなく、私は頭から地面に落ちた。

 

***************************************

 幸か不幸か、私は目を覚ますことが出来た。目を覚ますと自分がいる場所は下鴨神社の境内と分かったが、目の前にはなにかよく分からない白く大きな物体があった。最初は雪の塊か何かかと思ったがすぐに違うと分かった。その物体が話しかけて来たのだ。

「私にぶつかったのは君かね」

「いえ違います」

全速力で自転車を漕いでいたとはいえ、さすがに自分の体長ほどの謎の白い物体に気付かない筈がない。私は、話しかけられた驚きで声を振り絞って返事をするだけで精一杯だった。

「うむ。ある意味では確かにそうだ。君は今見えている私にはぶつかっていないかもしれない。これは私のこちらでの姿だ。先ほどの世界では私は虚無の形をしている」

虚無に形などあるだろうか。まだ自分の目の前で起こっていることを掴めず、とりあえずあいまいな返事をした。そもそもこの物体は人間の言葉を話せる生物なのか、いやそんなもの存在しない筈だ。

「君は私が何者なのかを知りたがっているようだな。なら教えてやろう。私は死神だ」

「なるほど。死神さん」

普通なら信じられないだろうが、今の私には死神が目の前に現れることがとても自然なことのように感じられた。やはり、死が近づくと人はおかしくなってしまうのかもしれない。いや、死神がいるということは私は死んだのか。あっけない終わりに少し落胆していると、死神と名乗る物体は続けた。

「といっても、君は死んだわけではない。確かに死に非常に近い状態にいる。それは転倒で始まったことではなく、君が死ぬことを決めたその瞬間から君は半分こちらの世界に足を踏み入れていたのだ。だから、私の姿は見えなくとも物理的な接触を感じることが出来たのだ。」

「ということは、さっき参道で私が躓いたのも」

「私だ」

なるほど、なんとなくであるが合点がいった。合点がいくと緊張感が解けたのかスラスラ話せるようになった。

「しかし、その死神さんが私に何か御用があるのですか」

「それが、君は死後の世界になにか幻想を抱いているようだ。このままでは君は死に損だと思ってな。折角なら君を死後の世界に招待してやろう。」

死神が死に損という言葉を使うとは意外だったが、まぁ死後の世界見学会も悪くない。私は死神についていくことにした。

 

 「死んだ後に天国と地獄があるという話は聞いたことがあると思うが、それは勝手にそっちの世界が決めたものだ。実際は地獄しかない。」

 そういいながら死神は参道を進んでいき、スッと消えた。取り残されたかと思うと、フッと後ろから死神が現れ囁いた。

「実はもう目を覚ました瞬間から君は死後の世界に君はいるのだ。」

なんのジョークであろうか。面白くもなんともない。明らかにここはさっきまで私がお参りしていた下鴨神社であった。何だか何もかも信じられなくなってきた。そもそもこいつが死神なのかどうかも怪しいところだ。私は茶番に付き合わされていたのだろうか。

「君は信じていないようだな。これが死後の世界だということを。ならば質問だが、この時間帯に下鴨神社はこんなに誰もいなかったかね。」

 私は辺りを見回してみた。普段ならある程度いる暇そうな老人たちが今日はいない。そもそも人っ子一人見当たらない。

「どうだ。死後の世界とはわからずとも、異変は気づいたようだな。つまりそういうことだ。この世界の見た目は君が住んでいる世界と何ら変わりはしない。では、なぜ誰もいないのか。答えは簡単だ。ここに連れてこられるのは君が心から愛した人だけなのだ。君は人を心から愛したことがあるかね。」

 何故死神に愛について語られなければならないのか。少し腹立たしかったが、質問の答えを考えてみることとした。自分を愛することができない私は、自分の周りの人間を羨み、妬んでいただけではなかったか。よく考えてみると、心から人を愛する奴が自分で死ぬ日を決めて自殺しようなんて自分勝手なことは考えないであろう。

「ないと思います。」

「やはりそうであったか。だからさっき私はこの世界は地獄しかないと言ったのだ。つまりだ、今の君はここに来ても孤独な地獄しか待っていない。だから残念なことに、君にはここに来る資格がまだない。その資格を手に入れるために君は生きるしかないのだ。生きるということは、人を心から愛するということなのだよ。」

そういうと死神は笑い(実際はただの白い物体なので笑ったのかどうか分からなかったが、私にはそう感じられた)、糺の森へと消えていった。

「待ってくれよ!」

そう言おうとしたがなぜか声は出なかった。そして次の瞬間、体に激痛が走り世界が歪みだした。私は痛みと歪みからくる吐き気からその場にうずくまった。そして私の意識はどんどん遠のいていった。

 

***********************************************

気が付き、目を開けるとどこか知らない部屋の天井が見えた。誰かに手が握られている。顔を確かめると私の母であった。母は私と目が合うやいなや、涙をながして喜んだ。

「よかった。あんた自転車で転倒して意識を失って5日間もずっと目を覚まさなかったんだよ。」

 そんなに眠っていたのかと、痛む体を起こしてカレンダーを確認すると1月のものになっていた。病室の外では子供たちが元気に雪合戦をしている。寒さからかいつもより母の温かみと母の愛を感じる。今日は11日。私の新しい1年が始まった。京都に今年初めての雪が降り積もった朝のことだった。

 

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calender 2017」の27日目の記事でした。28日目はCORALさん担当の予定です。

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https://anqou.net/poc/2017/12/28/post-841/feed/ 3
どうでもいい初恋の話 https://anqou.net/poc/2017/12/26/829/ https://anqou.net/poc/2017/12/26/829/#comments Tue, 26 Dec 2017 13:43:24 +0000 https://anqou.net/poc/?p=829 この投稿は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の26日目の記事です。

 

始めまして。そもそもお前誰やねんて方も多いかと思います。中途半端に真面目で中途半端に不真面目をやっておりますみっちです。今回は後から名乗りを上げた人が大勢いるので、ということでの延長戦に機会をいただきました。いやそもそもこれはあどべんとかれんだーでいいのか?というのは昨日の投稿にて説明がありましたね。
自己紹介をします。

 

恋。なんて甘美な響き。それなのに、残酷なほど鋭い刃を向けることもある。たった二音で、数多の人間が、こうふくを感じ、傷つき、時には成長してゆく。

初恋。そんなもの忘れてしまった、とか、そもそも自分は恋なんてしたことがあるのか、とか思ってみたり。でも少なくとも、私達の人生に何かしらの跡を残しているはずだ。

 

春は出会いの季節とも別れの季節とも言われるけど、実際はどうなんだろうな。僕にはまだ分からないな。
とか考えながらバスに乗っていると、しばらくして見慣れた門が見えてきた。あれ、立っている先生が前と違うなぁ。

「みなさんおはようございます!」

声が聞こえると同時にはっきりと姿が見えたその女性は、

背は高めだろうか、白のブラウスを着た、僕よりも大人な女性だ。当然か。何よりも、文字通り元気を振りまく声と、明るめの栗色に染めた、それでいて派手に感じないセミロングの髪がマッチしている。

恋に落ちる音がした。

いや正確には当時の私はまだ自覚していなかったはずだ。とにかくあの時胸に響いたあの音はそういう音だったのだろう、今思えば。

呆然としたままの僕を乗せたバスはそのまま門を通り過ぎ、気付けば僕は席に座っていた。
それから二十分くらいで朝の会の時間になった。毎年恒例のドキドキタイム、新しい担任が教室に入ってくるのだ。周りは見知った顔ばかりだし、次は誰だろう、とか、あの人がいいなー、とか話したりして。

ついにその時が来た。

「みなさんおはようございます!」

……。いやいや、これはゆゆしき事態だ。いやまじで?と焦る僕を置いてけぼりにして彼女は自己紹介を始める。

「今日からこのクラスの担任になりましたMです! みんなが楽しく過ごせるように頑張るから、みんなもお手伝いしてね」

まさかこういうことになるとは……。

それからというもの、僕の見える世界はいつもきんいろに輝いていた。朝の挨拶に始まり、昼のお話も帰りの挨拶も、家で過ごす時間さえもがこれまでと全く違うものになっていた。

そんなこんなで九ヵ月ぐらい経って、思いを伝えることもできないまま、そろそろ来年度の話が出てきたなという頃。僕は衝撃の事実を知った。

ある日の帰り際、彼女はこう言ったのだ。

「実は先生、結婚することになりました~」

いやいやいやいや、そんなの聞いてないです先生。友人たちが祝福の言葉をかける中、僕は頭が真っ白になっていた。

どうやって帰ったかはほとんど覚えていない。いつもより少し高めの声で言われたさようならに、返事ができなかったことだけは覚えている。

残り三ヵ月をどう過ごせばいいんだ、と落ち込む私に、全てを察していたらしい偉大なる母は、あんたまだ人生長いやろ、と身も蓋もない言葉を投げてきた。それは分かってるけど、そういうことなんですかおかん……。

数週間の後、母はもちろん友人達のおかげで、納得まではいかないまでも、なんとか心の整理がついた僕は、前と同じように先生に挨拶をしに行く。

やはり半年前より魅力の増した彼女の笑顔を見つけ、より愛しくなると同時に、心が押しつぶされる。

 

それでも僕は笑顔でこう言うのだ。

「Mせんせぇ、おはよーございますっ!」

 

みっち6歳、恋を知った春の、終わりと始まりの事である。

 

なおこの文章はフィクションということにしておきます。

 

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の26日目の記事でした。 みっちが担当しました。27日目は、KD さん担当の予定です。

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https://anqou.net/poc/2017/12/26/829/feed/ 2
これからの坩堝の話をしよう https://anqou.net/poc/2017/12/25/post-813/ https://anqou.net/poc/2017/12/25/post-813/#comments Mon, 25 Dec 2017 06:41:06 +0000 https://anqou.net/poc/?p=813 この投稿は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の25日目の記事です。

4月の頃、ある友人にこんなことを言われました。

クリスマスまでに彼女ができなかったら、4年間できないらしいで。

無事第一条件をクリアし、4年間の人体実験フェーズに移行しました。皆さんこんばんは、艮鮟鱇です。「クリぼっち」という言葉を今年初めて知りました。「クリスマスぼっち」の略だそうです。最近の若者はなんでも省略したがります。

何はともあれ、「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」いかがだったでしょうか。著者の皆様も読者の方々も楽しんで頂けたのであれば私にとってはこれ以上無い喜びですが、もしそうでないとしても、これからの「カオスの坩堝」に期待していただけたらと思います。

はじめ10人ちょっとの著者でスタートした「カオスの坩堝」ですが、今や25人を数える大所帯となりました。正直これほどの方々に集まっていただけるとは思ってもみませんでした。本当にありがとうございます。それに伴っていくつか、これからの「カオスの坩堝」に関する告知がございます。

まず、この記事が投稿された段階で、著者の募集を一旦打ち切ります。ただし、これまでに著者希望の旨をTwitterなどで示されている場合は除きます。次回の募集については後で述べます。

「カオスの坩堝」に投稿する記事についての制約は以前と変わらず基本的にありませんが、常識的に衆人の目に触れても差し支えないものにしてください―― 個人情報を載せるとか、他者を過度に1中傷するとか、過度に2えっちぃとかは避けましょう。あと広告だけ載せるとか、明らかな荒らしとかもやめてね。これらに該当する記事が公開された場合は、事前通告なく管理者権限を以って削除する可能性があります。気になる場合は公開前に私に相談してください。

記事のバックアップは一応とってありますが、所詮電子データですから、消えてしまうこともあるかもしれません。また、私の個人的な事情により「カオスの坩堝」をある日突然閉鎖することもありえます3。個々人の記事は自分で管理し、必ずバックアップを作成するようにしてください。「どうでもいい記事だから」と思っていると意外と後悔しますよ。

さて、今回は12月にAdvent Calendarという企画を行いました。今後3ヶ月おきに「投稿大会」を開こうかと考えています――つまりある日を設定して、この日に著者が記事を投稿するというイベントを開催する予定です。現在の予定では3月末か4月始めあたりで「春季投稿大会」を開くつもりでいます。もちろん著者がこれに参加するかどうかは自由ですが――できれば参加してほしいなぁ……。

そしてこの「春季投稿大会」に合わせて著者募集を行う予定です。投稿大会の詳細も含め、また時期が近くなれば「カオスの坩堝」とTwitter(@ushitora_anqou)で告知します。まだフォローしていない人は今すぐフォローしよう!4

さて、これでこの記事も終わりです。25日間無事続いたAdvent Calendar 2017もここで終わり ――と言いたいところなのですが。

 

もうちっとだけ続くんじゃ。

 

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の25日目の記事でした。艮鮟鱇が担当しました。26日目は、みっちさん担当の予定です。


  1. 「Microsoftなんて大ッキライだ!」などの文言は「過度」ではない。基本的には、著者に近い個人に対する根拠ない言論を想定しています。↩
  2. 「エッチしたい」などの文言は「過度」ではない。基本的には官能小説とかエロ画像とかを想定しています。↩
  3. 一応少なくとも1年は続ける気でいますが、人間関係の悪化などあれば即座に閉鎖することはTwitterなどでも言っているとおりです。↩
  4. フォローは基本的に知り合い以外返していません。あしからず。↩
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https://anqou.net/poc/2017/12/25/post-813/feed/ 2
最近のAI・仮想通貨ブームに思うこと https://anqou.net/poc/2017/12/24/post-797/ https://anqou.net/poc/2017/12/24/post-797/#comments Sun, 24 Dec 2017 12:37:07 +0000 https://anqou.net/poc/?p=797 この投稿は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の24日目の記事です。

はじめまして。カオスの坩堝 Advent Calendar 2017 24日目担当のPiBVTです。おそらくほとんどの方が僕のことをご存じでないと思います。簡単な自己紹介でもしようかと考えたのですが、 紹介したところで何ら役に立たないので控えさせていただきます。

今日は12月24日でクリスマスイブですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。幸せな方もいれば、僕のように1人で過ごしている方もいるかと思います。せっかくのクリスマスイブなのでクリスマスにまつわることを書くのがよいかと思ったのですが、あえて全く関係ない「AI・仮想通貨」について書かせていただきます。

AIについて

まずはAIについて徒然なるままに書いていきます。

第三次AIブーム到来

多層型ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)が実用化され、AI研究は一大産業となりました。AIに関係ある企業、関係ない企業も決まり文句のようにAI,AIと叫んでいて、まるでAIが万能であるかのように錯覚してしまいそうですね。まずは、このブームの発端について少し説明しておきたいと思います。

ニューラルネットワークという考え方自体はAI黎明期の1950年代から存在してましたが、当時は教師データの不足や計算資源の不足で高い精度は得られませんでした。しかし、長年の研究と計算能力の改善によって、大量の教師データを学習することが可能になりました。さらに、「隠れ層」の存在する多層型ニューラルネットワーク(多層型パーセプトロン、畳み込みニューラルネットワーク等)の実現によって画像認識コンテストで優勝するほどの成績を収めました。まさにここが今の一大AIブームの起点となったのです。

それ以来、Google、Apple、Microsoft等の大企業はこぞってAIの研究を開始し、優秀なAI研究者は次々と吸収されていきました。普通の企業でも「なんかよく分からんが、AIはいいぞ」という噂に乗っかって業務を自動化させるべくAIを導入したり、宣伝文句でもAIという言葉が目立つようになりました。まぁAIがブームになって嬉しいことには嬉しいのですが、今まで見向きもしなかった人たちがこぞってAIを語るようになったのは異様な気もします。それだけAIが身近になり、注目される分野となったということなんですかねぇ。

AIは人を超えるのか?

このテーマに関して考えることがよくあるのですが、現状僕の考えとしては「まだ無理だろう」というところですかね。深層学習に関しては研究がまだまだ不十分でそのポテンシャルは計り知れないのですが、原理上、「大量の教師データ」が必要となるところがボトルネックになるような気がしてます。画像処理、音声認識が成功したのは膨大な教師データが存在するからであり(間違ってるかもしれません)、会話するロボットに関しても、人間の会話パターンを学習することで実現しているそうです。某M社の会話AIがナチズムを肯定したことでも有名ですね。あれは一部の人間がそのような情報を学習させたため起きたと言われてます。

画像認識や音声認識に関してはすでに人間よりAIの方が優秀ですが、人間に出来てAIには出来ない分野があります。それは「探求」です。今のAIは、与えられた情報を学習して学習をもとに判別対象を確率的に「なんかこれっぽい」と判断してるに過ぎません。積極的に学習データを自分で取得して学習するアクティブなAIも存在しますが、すべてのAIはあくまでプログラム上に形成されているため、アルゴリズムという限界を超えることは出来ません。この「アルゴリズムの限界」が今のAIの限界であると僕は考えてます。アルゴリズムの限界によってAIが自分でプログラムを作ることは不可能(詳しいことは省略しますが、証明は存在します。)であるが故に学習範囲が限定され、そもそも探求等ということは出来ないと思うんです。人間のまねごとは出来ても、人間と同等の存在にはなり得ない。というのが僕の考えです。

なんで「探求」?

正直なところ、自動操縦とかのAIに探究心なんか必要ないですよね。でもそれでは一定のアルゴリズムに沿って作業するちょっと賢いロボットに過ぎないと思うんです。正直それでは面白くない。会話AIも所詮ネット上の情報を取得してしゃべるか、学習した情報をもとにしゃべるだけで面白くないですね。

人間が千差万別、十人十色である理由はこの「探求」心のベクトルが人によって違うからではないでしょうか?それが人間のアイデンティティの一角を形成していると考えることも出来るでしょう。人によって着目点が違うからこそ、人は独創的と言われる発想ができ、天才と呼ばれる人が存在するのです。AIが人間と同等な存在になるために欠けている要素とすればこの「探求」ではないかと思うのです。

結論

今回はちまたでよく言われている「AIは人間を超えるのか?」という観点で考察しましたが、部分的には超えてる分野もあるけど、まだまだ人間の需要は尽きない。といったところが結論となります。もちろん、僕の個人的な勝手な意見なので実際とは異なる可能性の方がかなり高いですが、確かにいえることは「人間に求められる能力は発想力に変わりゆく」といったところでしょうか。

仮想通貨

AIについての馬鹿丸出し駄文で、もううんざりという方もいると思いますが、許してください。仮想通貨について書かせてください。

ビットコインブーム

まーすごいですね。ビットコインのブーム。一時は200万円に届くかと思われましたがその後大暴落。普通の通貨ではありえないアグレッシブな価格変動です。おそらく金儲け目的で「なんかよく分からんが、仮想通貨は儲かるぞ」と買った直後に大暴落で青ざめた人も沢山いると思いますが、まぁそんなもんですよね。だってビットコインは何にも管理されてませんから。普通の円をはじめとする通貨は金を価値基準とした「金本位制度」を元に作られ、その後、国によって流通が管理される「管理通貨制度」に移行しました。つまり、ある程度の管理によって通貨の価値が保障されているため、安心して使うことが出来るわけです。しかし、ビットコインはどうでしょうか。一部の人間が大半のビットコインを保有し、その気になれば自由に相場を変化させることが出来るそうです。株取引では禁止されてるようなインサイダー取引も可能です。つまり、ビットコインはネット世界共通の通貨形態をもたらすという本来の理念とは異なり、単なる金儲けの手段になってしまったわけです。金儲け関連の話は話し出したらきりがないのでここら辺にしといてビットコインの仕組みについて語りたいと思います。

ブロックチェーン

はっきり言ってブロックチェーンの仕組みは「素晴らしい」の一言です。全取引履歴をあえて公開することによって、通貨、取引の確かさを保証するという仕組みは目から鱗です。そして、その保証する仕組みに必要な計算資源の対価にビットコインを与えるという人間の心理をも利用した完璧なアルゴリズムだと思うのです。しかも、分散型という。あっ。ブロックチェーンの仕組みをここで語るほど余裕はないので適当にググってください。アルゴリズムとしては、完璧だったと思うのです。「アルゴリズムとしては」ですけどね。

ビットコインの問題点

ビットコインの問題点としてはさっき言ったように投資目的の取引の他に、ビットコインのシステムに対して計算資源を提供するマイナーが中国に集中してしまったことがあります。マイナーは誰でもなることが出来、提供した計算資源に応じたビットコインが与えられるため、大規模なマイニング設備を電気代の安いところに建てて荒稼ぎし始めたのです。そして、

組織化された採掘集団がマイニングに殺到しました。2016年現在、「採掘」は7割を中国が担っており、もはやコミュニティ運営が正常に行えなくなっていて、コアの開発を担当していた人物が「ビットコインという実験は失敗だった」と表明する事態になっています。 (Gigazine,2016)

という事態にもなっています。まぁブロックチェーンを応用した最初のシステムなので当然と言えば当然です。しかし、もはや手のつけられない領域にビットコインは達してしまいました。おそらく、この先様々な規制が仮想通貨全般にかけられることになると思います。そのときに価格がどうなるのかは神のみぞ知るところでしょうか。(おそらく大暴落すると思いますが。)

僕が面白いと思う点

僕がこのビットコインで面白いと思ったことは、システム全体が「分散型計算システム」を形成しているところです。深層学習やデータマイニングが主流となった今、計算資源はあればあるほどよいものです。一方で普通のユーザーがパソコンの計算リソースを使い果たしてることはほとんどありません。その余剰な計算リソースを集めて必要な人に提供する。僕がたまに「P2Pは偉大」とTwitterでつぶやいているのはP2Pが分散システムの基礎であるからです。実際にこのようなシステムは「BOINC」等で実現されてます。このシステムをもっと自由度が高いものに出来たらいいなと思ってて、今のところ個人で色々調べてます。

最後に

AI、仮想通貨についてつらつらと書いてきましたが、ここ数年でIT界ではすさまじい革新が起きてますね。この先どのようになるのか、すごい楽しみです。

参考文献

大野健太(2015) 「ニューラルネットの歩んだ道、ディープラーニングの登場で全てが変わった 」

Gigazine(2016) 「Bitcoin採掘の7割を中国が占め、元開発者が「実験は失敗だった」と表明」

 

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の24日目の記事でした。 PiBVTが担当しました。25日目は、艮 鮟鱇 さん担当の予定です。

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衣川の桜 https://anqou.net/poc/2017/12/23/post-653/ https://anqou.net/poc/2017/12/23/post-653/#comments Fri, 22 Dec 2017 15:41:36 +0000 https://anqou.net/poc/?p=653 この投稿は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の21日目の記事です。

 

「いや、急に呼び出してすまない。」
慌ただしく席に座った彼は、私の長年の友人だ。

「ああ、久々に会えて嬉しいよ。前にあったのは2年前か。」
そう言って座席に腰掛ける。この硬い木の椅子は今も変わらないようだ。

「結局、僕らは一度として川に飛び込めなかったね。」
なるほど、どうやら彼は昔話がしたいらしい。むろん私もそのつもりだったのだが。

私たちはしばらくの間、懐古を楽しんだのだった。

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私たちの出会いがいつだったか、いや、そんなことを考えるのも野暮だろう。私たちは同じ年に同じ集落に生まれた。衣川に架かる沈下橋を渡った対岸、谷の少し奥まったところにポツンとある、8世帯の小集落だ。生まれた子供は、集落のものとして一緒に育てられる。物心ついた頃から、いつも二人は一緒であった。

橋のたもとの祠に行くと彼がいる。カラッと晴れた夏の平日の昼前、川に飛び込む中学生たちを横目に見ながら、ゆっくりと橋を渡る。小学生の足では5分はかかっていたであろう。国道に出てしばらく、こじんまりした寺に着く。私たちは、ここの和尚に将棋を習っていたのだ。神木の桜の木が見守る境内で、黙々と将棋を指す。それが私の中の幼少期の思い出であり、彼のそれでもあった。

私たちの故郷は、美しかった。これは高慢でもなんでもない。透き通る水をなみなみとたたえる衣川と青々と茂る山並み、コンクリートの無機質な構造物である沈下橋のミスマッチに魅了され、観光客は後を絶たない。そしてここには、東京の街並みがどれだけ変わろうが、100年後も200年後も変わらない、そう言った昂然さがあった、と思われたのだが…

1970年代に、この原風景は失われてしまったのである。

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「桜が、枯れたそうだ。」
彼はそう切り出した。
「なるほど…」
私は妙に納得した。いつも私から誘っていたのが、今回は彼から突然誘いが来た意味を。
「30年…前になるね。小学校卒業の年だった。」
「ああ。あの時はあんなにも大々的にテレビに取り上げられたのに、今では見向きもされない。」

寺を見守っていた桜の大木は、ダム建設の際に山腹へ移植された。ダム建設の事業主の提案によってなされた移植であったが、枝を切り落とされ、重機で運ばれる大木の無残な姿に、日本中で非難が巻き起こった。しかし、奇跡的にも移植は成功し、今では美談として語り継がれている。

「30年前、僕たちは桜の木以外、全てのものを失った。毎日通った小学校、国道沿いの釣具屋、境内に埋めたタイムカプセル、そして僕らの住まい。全て湖の底さ。」
「そして今、衣川の桜までも僕らは失ってしまったと。」
「そういうこと。もう痕跡はどこにもない、が。」
そういうと、彼は水を一杯含んで、さらに語り続けた。

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中略
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—————緊急ニュースをお伝えします。今日午前10時ごろ、X県Y市の衣川ダムにて、武装した男複数人による立てこもり事件が発生しました。犯人の要求は未だ不明。ダムの不審な放流操作が行われており、現在下流の住民を避難誘導中です。警察は、「下流の住民全てを人質に取った、極めて悪質な犯行」との見解を出しており、現在突入作戦を計画中とのことです。—————

 

この話はフィクションです

 

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の21日目の記事でした。 nèiténg が担当しました。22日目は、 私はサンタ さん担当の予定です。

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パンツダンスミチミチアオゴリラ https://anqou.net/poc/2017/12/22/post-643/ https://anqou.net/poc/2017/12/22/post-643/#comments Fri, 22 Dec 2017 14:40:50 +0000 https://anqou.net/poc/?p=643 この文章は最新鋭のAIによって自動生成されました。

 

皆さんご存知動物園の人気者、キュートな目元に愛らしい仕草、キレのあるノリツッコミが特徴の「パンツダンスミチミチアオゴリラ」について、お話します。

パンツダンスミチミチアオゴリラ(学名:おにぎりせんべいもどき)(以下パダミアゴ)、原産地のさいたま市では「滋賀県」と呼ばれることもしばしば(年に1回か2回程度、運動会前日の男子小学生が夢の中で遭遇した場合、そう呼ばれる)のこの不思議な生き物は、都内某所にある生産プラントで、30~50代の未婚成人男性から生産されます。

未婚成人男性(以下ミコダン)の頭に注射されたパダミアゴの卵が、1ヶ月かけてミコダンの身体の中を隅々まで遊泳し、ミコダンの幸せな記憶だけを食べた後、局部付近の皮膚を突き破ることでパダミアゴは産声を上げます。(その後のミコダンは、辛い記憶しか残っていないので1~3ヶ月で自殺します。生存競争ですね。)

生まれたてのパダミアゴ(以下ビートたけし)は、テントウムシとカレーライスを足して二で割ったような見た目をしていますが、知能が非常に発達しているため、スマブラでCPUレベル7までは完封出来ます。ですが、この段階ではお尻から精一杯の謝辞を放出する能力や、何を食べても土の味しか感じない味覚、気持ち高めの位置から放たれる気持ち強めのラリアットなど、パダミアゴに必須の要素が備わっていません。

だから、彼らは各々に適したコンビニエンスストアで、真の姿を得るために研修を積みます。
最初は、覚束ない手つきでレジ打ちをしていたパダミアゴも、数週間すれば商品の品出し、陳列もお手の物、厄介なクレーマーは絞殺し、関西人の客にはやたらキレのあるノリツッコミを披露、休憩中は成人誌のコーナーで下衆な笑みを浮かべつつ煙草を吸う立派なパンツダンスミチミチアオゴリラへと成長します。ちなみにこの時、未熟だった身体もしっかり成長し、ほぼカツカレーのような見た目になっています。(誤って食べたら中毒で即死します)

こうした過酷な修練ののちに「夏の日の思い出とプールサイドの塩素臭と君の横顔とひまわり」(十分成熟したパダミアゴは極稀にこのような呼ばれ方をします)となった彼らは、フリーズドライ加工された後皆さんの食卓に届けられたり届けられなかったりするのですが、そもそもそんな動物は居ません。歯を磨いて早く寝ましょう、おやすみなさい。

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夜は眠れるかい? https://anqou.net/poc/2017/12/22/post-620/ https://anqou.net/poc/2017/12/22/post-620/#comments Thu, 21 Dec 2017 15:02:09 +0000 https://anqou.net/poc/?p=620 この投稿は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の21日目の記事です。

皆さんは「深夜徘徊」という言葉を聞いたことはあるだろうか?

深夜徘徊とは北欧のスウェーデン発祥の新感覚スポーツで老若男女問わず誰でも手軽に安価に行える、ことからここ数年で世界中でも爆発的なブームを巻き起こしている。
ルールは簡単。深夜(0:00~という説と3:34~という説がある)に家の外を徘徊し(徒歩が望ましい)外で過ごす。QOLの高い行動ごとにポイントが決められていてそのポイントの合計が多いプレイヤーが勝利する。プレイヤーが何か行動した後はTwitterで報告し、それをもとに審査するので大会の企画にも人手がかからなくて運営のしやすさからも国内外で多くの大会が開かれている。

というのは真っ赤なウソではある。そんなスポーツは日本はもちろん北欧にさえない。いやあるわけがない、あったらむしろこっちが怖い。

では深夜徘徊とは何なのか?

私が最初に深夜徘徊と出会ったの今年の5月ごろであった。悪名高き物理学実験を履修していた私はレポート提出日の前日に徹夜で取り掛かることが多かったのだ。徹夜していると2時ごろと4時ごろに強烈な眠気に襲われ、気分転換と目覚ましを兼ねてコンビニにコーヒーを買いに行ったのが始まりだった。いつもなら自転車に乗って向かったであろうコンビニにその日は珍しく徒歩で向かったのだ。深夜のため昼は車が途切れないような大通りもすっからかんで、街は静まり返っていたのだ。のちに暑い昼に寝て涼しい夕方から活動を開始することで疑似的な避暑を実現してからは、深夜徘徊に繰り出す回数は目に見えて多くなっていった。これを人は昼夜逆転という。

深夜徘徊の魅力とは?

深夜徘徊の魅力は

1.自分の住んでいる町の昼とは違った姿が見えること
深夜故に大通りにも車はほとんど通ってないし商店などもほとんどが閉まっていて街の様相ががらりと変わってしまう。普段は意識することのない都市システムに思いを馳せることができるかもしれない。

2.自分を肯定できること
絶起や二度寝などで図らずしも全休となったとき、家から一歩も外に出ないのはとても罪悪感を感じていたので、コンビニに行く、アイスを買う、そんな小さなことでいいから外に出ることで社会との繋がりを見出しほっと一息つくのである。

3.夜空の観察
夜空をじっくり観察する機会というのは日常生活では意外と少ない。今日の月の絵をこの場で描ける人はいるだろうか?思い出せない人は夜空であんなに輝く月でさえ目に入っていないということだ。たしかに都市部だと星を見るのに適さないので本格的な天体観測とはいかないだろうが、1等星からなる夏の大三角や冬の大三角であればはっきりと見分けることができる。見るものを狂わすとまで言われるほどに美しい月や、何百光年何千光年離れた恒星の光を愛でるのもよいのではないか。

以上のように深夜徘徊では昼の世界とはまた違う未知の世界を味わうことができる。たいそうな準備はいらない。せっかくなら今夜にでも靴を履いて、早速夜の世界に繰り出してみるのまた一興かもしれない。

~あなたの深夜徘徊に新たな発見がありますように~

 

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の21日目の記事でした。イオが担当しました。22日目は、nèiténgさん担当の予定です。

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