終章

 ———警告——— 
この世界は間もなく消滅します。
新しい年を迎えたというのにこの世界の機能は殆ど停止している。これまでのお祭り騒ぎも夢かと見紛うほどに空虚である。もう此処は安住の地ではないのかもしれない。
振り返ってみると色んなことがあった。

(中略)

こんな記憶に浸かった所で、彼だけでは消滅を食い止めることは出来ない。これまで様々な世界を作り出して来た天地創造の神も、これ程簡単に自分の創造物が終焉を迎えるのは悲しいだろう。彼がこの世界にやって来たのはつい最近のことだが、その彼でさえも此処を失うのは惜しいことだと思っている。彼は考えた、どうすればこの世界を救えるのか。解決法は単純で、皆がこの世界の存続を望み、此処に足跡を残せば良いのだ。
彼は自分から行動を起こそうと筆を執った。この世界が再び活気に満ち溢れた場所となるように。