「逆さ井の中の蛙」あるいは手を繋ぎ一緒にゴール

torikori です。 試験前で忙しいはずなのに、こんなときに限って文章を書いてしまう愚か者です。

さて、ついつい覗いてしまう、奇妙な仮想空間Twitter。そこで、「逆井の中の蛙」という言葉を見かけました。井の中の蛙という慣用句を逆手にとり、「自分は、皆ができることさえできない」などいう状況になっていること、あるいはそう自分で知覚していること、など、さまざまに意図しているようです。
ここでは、「実態以上に過小評価して自分ができないなどと考えること」を以下で「逆さ井の中の蛙」などと呼ぶことにします。あくまで仮ですが。

少なくとも、もちろん、謙遜は必須のものであり、自分を過大評価してしまうのは、事故の元だと考えています。危ない行為をなすほどならなにもせず失敗するほうがまだ結果安全であろう、とさえ思えます。しかしながら、それが、他人の実際にできる能力、努力を妨げていることも散見されます。
例えば、試験前、勉強したらきちんと内容を身につけられるはずなのに、「まわりの強者たちがいるから無理」などとなり、勉強できずになる。ひたすら心の内で罪悪感と苦しむ。そして何も残らない。そのようになっている人々を見ていると、悲しみを抱かずにはいられません。

なぜそうなるのか、その人の性格の問題、そう割り切ってしまう手もあるかもしれません。ただ、もう一つの見方があるかもしれません。そう、強者が存在するからではないのか、怯えさせるような振る舞いをしているからではないか、そう疑問を抱くわけです。
この見方は、教育の現場において実行に移されたのではないでしょうか。そう、「ゆとり教育」です。

ゆとり教育をある種揶揄する字句として、表題にある「かけっこの際、みなで競って一番を目指すものではなく、皆で手をつないでゴールする」という状況がありますが、これこそが求めていたもの、ある意味、そうではないでしょうか。
つまりは、他の人が努力していることをなるべく見せない、見えないようにし、みながそれぞれの目標に向かって努力できる、そういうことです。
他人におびえることもない。強者への質問におびえることもない。「彼すごーい」って褒められて、それで嫉妬することもない。

ほんとうに?「ゆとり教育」の結果待っていたものは、学力低下ではなかったのか、無気力、無関心ではなかったのか。
そもそも、いわゆる「できる人」が周囲を引っ張るからこそ、あるいは助けるからこそ、うまく回っているのではないか。「逆井の中の蛙」とは関係ないのではないか。

ここまで議論を、あるいは主張を書いてしまったうえで恐縮なのですが、実際にどうすべきなのか、筆者にはよくわかりません。そういう見方があった、それなりにそのような考えが普遍なものだった、そういう時代を記憶の片隅に置いていただける、それだけで十分ではないでしょうか。とりもいそぎやるべきこともありますし。

最後に、筆者のちょっとした思い入れを記しておくことにします。
私の知人の大半は、少なくとも私から見ると、そのような他人と競うことに慣れているように見えます。勉強の際、そして試験の際にも、良い成績を取るべく、私とは違い勉学に励んでいるようです。
向上心なんて欠片もない私からすると、彼らの姿勢がうらやましい。私なんかと違い、そのように努力してこられたからこそ、この大学に合格したのかもしれませんけどね。
また、少なくとも私とは違い、少なくとも私ほどには、「逆さ井の中の蛙」自身がなさすぎる状況には陥らず、むしろ他人と高めあうよい点のみを引っ張って、日々を生きておられるように感じます。

私なんかの卑屈な人間とは大違いです。
うらやましい、うらやましいのだけれど、ある種のちょっとした怖さ、あるいは不安。今後、持続するものなのか。皆が心をグダグダに折れてしまうのではないか。狭い了見にて、価値観に染められるのでは、ほんとうに?

それでは、あのかけっこは良いのか、ほんとうに?20年後の子どもたちに向かって、何の自信も持てない私です。

PS. 取り急ぎ、思うところを記してみましたが、まだまだ課題が潜んでいることに気づき、結局何も中身のない記事になってしまいました。試験終了後に追記したり、あるいは別記事を立てられるとよいかもしれない、と感じています。

コメント

  1. torikori より:

    なお、この記事では、筆者周囲の人々を批判するものではない、一般的に他人と競うこと、あるいは競わないことを批判したり蔑むものではありません。

    カオスの坩堝関係者へ: 必要でしたら削除などの対応も取りますので、問題などありましたらご連絡いただけたらと思います。

  2. nininga より:

    今となっては全て世界の中で何番か/どの辺の位置にいるのかが分かってしまうのきつい……きつくない?