その日、一つの世界が終わった。
神は人類の傍若無人なまでの数々の行いに遂に痺れを切らし地上から人類を一掃することにしたようだ。
事前に予告されていたことではあったが、一部の人間以外その日まで気にする素振りはなかった。
皆なんとかなるだろう、と楽観的に考えていた。
どうせ神の気まぐれだろう。数日もすれば考えを改めるはず。
そう公言することを厭わないものさえいた。
しかし現実はそうはならなかった。
神から再度のの通告はなく、各地では異変が起きていた。
雨は降らず、作物は実らない。
火山は噴火し主要道路の多くが分断され、都市への物流は途絶えた。
孤立した都市では暴動が食料の値段が高騰し暴動が起きた。
多くの執政者は火の手の上がる都市から逃げながら神が本気であることを初めて実感した。
通告は脅しでもましてや気まぐれでもなかったのだ。
上流階級の者は私兵を雇い多くがその難を逃れた。
しかし彼らは住居、収入源、権力基盤を失い選択を迫られていた。
地上から離れ神の怒りが及ばない新天地を目指すか
数々の災難を耐え神の慈悲を祈るか
そして神を騙し自らの安寧を掴み取るか
今選択を迫られている
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人類終了