主役

人生初の「ライブ」に行った。

6/30@さいたまスーパーアリーナ、KOBUKURO 20th ANNIVERSARY TOUR 2019″ATB″。同じくコブクロ好きの知り合いに連れられて、会場に入った。

結論から言うと、度肝を抜かれた。自分の気持ちの気づき、新しい人生の捉え方、(今だけかもしれないが)価値観の変化など、大きな打撃を食らった。

自分語りの部分はここでは語らず、それ以外の部分を書かせてもらう。

ライブなどは主役のステージであり、いくら一体感を得るとはいえ客や演出、主役以外の演奏などは脇役だと思っていた。違った。演出も演奏も主役だった。みな主役に引けを取らず、かつ主役を隠すこともなく、輝いている。そして自分たちも、完全に主役だった。今この瞬間を楽しむ自分は、主役以外の何者でもなかった。「脇役だと思っていたもの」は、「『目立つべき主役を輝かせる物語』の主役」だった。皆スピンオフの主役だったのだ。

そして、その「目立つべき主役」は、自分とは違う世界にいた。ドームでライブをするなど、人気さえあれば誰でもできると思っていた。少しテレビに出たことがあるぐらいで調子に乗っていた。開演直後、主役がステージに立った瞬間、1人の人間の小ささにゾッとした。テレビとは違う、目の前の何万もの人間に向かって自分を見せるその恐ろしさ、そしてそれを少しも見せない主役の堂々っぷりに、圧倒された。

自分は、確かに主役であり、主役を輝かせることができる。人生とはそういうものなのかもしれない。

これまでライブに行かなかった理由はいくつかある。「ライブはいわゆるパリピが行くものである」という偏見や、思いっきり盛り上がるはずの体験でもイマイチ乗り切れない性格、未体験のものに手を出す恐怖心、ただ主役の言葉を享受するためだけに金と時間を使えない価値観。

全てぶち壊された。気がつくと立ち上がって笑みを浮かべながら手拍子をし、一緒に歌っていた。3時間半があっという間だった。ひたすら感動した。

小学一年生、初めて桜を聴いた時から、14年が経った。人生観の多くが彼らによって形を成している。一番心に来たのが、”ANSWER”という曲だった。夢が、信じたものがあるなら、どんな道だってそこに向かってがむしゃらに頑張れる。そんな歌だ。

アンコールの二曲目、公演最後の曲としてANSWERが流れた瞬間を、きっといつまでも忘れない。

本当にいい経験でした。ありがとう。