遅すぎた激励

この投稿は「カオスの坩堝 Advent Calender 2017」の18日目の記事です。

 私はマゾヒストだ。ことを成すにはただでは済ましたく無い。完了したはい終わりでは気が満たされないのだ。その一端が効率主義的な性格に顕著にあらわれている。とはいえ単なる効率主義ではなかろう。なぜなら最も追求するものは時間対効果でも労働対効果でもない。求めるべきはタスク対効果だ。或るタスクをこなす中でどれだけ多くを得るか。私は斯くなる理想を極めるには労力を惜しまない。自らを追い込んででも労力をつぎ込めばよい。マゾヒストと言うよりはむしろ自分に厳しくありたいといったところか。

 タスクを多くこなし得るものは多ければ多いほど良いに決まっている。然れども人間は生物であるからそこには限界がある。中でも最も見過ごせない限界が時間である。人間は生物であるからいつか死を迎える。それまでにできるタスクには限りがある。よって人間はその一生のなかで上手くタスクをこなし多くのことを得る要領を持たねばならない。これこそが私の効率主義の真価である。

これが受験の話になると効率主義は絶大な力を発揮する。効率主義は受験のためにあると言っても過言ではないくらいに。なんてったって受験とは限られた時間で学を詰め込む競技である。効率を考えずして受験に挑むなど愚行に他ならない。

今回は大学受験を控えた皆さんのため私の効率主義的なアドバイスを授けようというわけである。言うまでもないがこの理論を裏付けるものは私の経験しか無い。受験で何より大事なのは自己分析の力だ。これを参考にするときも自分に合った勉強法に改善してほしい。

そもそもの話ではあるが得意科目というのはいくつ必要だろうか。世間一般ではひとつ得意科目があれば武器になると言われるが私はそうは思わない。苦手科目で打ち消されるからだ。本当に頭ひとつ抜きん出るためには得意科目は複数必要だ。これなら点が取れない科目が多少あってもアドバンテージは維持できる。よって今ひとつ伸びが出なくて喘いでいる受験生諸君は苦手を潰すよりは得意を増やしてほしい。その方が精神的にも楽だし確実性も高いだろう。

私の場合は英語と化学の二刀流で受験に挑んだ。すると本番で苦手だった数学でやらかしてしまい心を滅多打ちにされた。ところが翌日の英語と理科で覇気を纏った私は見事に形勢を逆転し合格を掴んだのである。このように二刀流のメリットは尋常ではないと分かっていただけただろうか。やらかしている以上あまり喜ばしくはない記憶ではあるのだが。

では私がいかに二刀流を成し遂げたのか具体的な話をしよう。逆に言うと今回は英語と理科以外はアドバイスができない。申し訳ないことだが粗悪なアドバイスを入れ知恵させられるよりはマシだと思って聞いてほしい。

英語については文法より尊いものは無い。単語より文法である。単語など最低限の知識さえあれば文脈で読み取っていける。事実私はそうしてやり繰りしてきた。もちろん単語を覚えないよりは覚えた方がいいに決まっている。しかし文法が無くては英語と日本語を行き来する間にカオスが生じるだろう。例えて言えば単語は英語島と日本語島を結ぶ船であり文法は航海図である。航海図も無しに船を出せば行き着く先は全く定まらない。文法を蔑ろにするのがどれほど危険であるか今一度気づいてほしい。

文法が大事というのは和文英訳でも英文和訳でも共通する話である。和文英訳においては筆者の論を構造的に捉える必要がありそれには文法が役立つ。英文和訳においてもまず文法で骨組みを編んでから単語の肉をつけていくのである。文法とは英語の生死を分かつ存在と言っても過言ではない。

理科について話そう。理科はとにかく演習と考える人は多いと思うがそれは安直である。案外忘れられがちなのが知識や原理である。出来ない問題に出くわしたとき解答を見て解法だけ暗記しようとする人がいる。これほど本末転倒した勉強は無い。そもそも受験という世界で同じ問題が2つとあるだろうか。それに問題はいくらでも複雑に応用できる。解法は丸暗記しときましたとぬかす付け焼刃は門前払いに違いない。応用に太刀打ちするには知識と原理を身につけねばならない。理科という科目はそれほど根が深いのだ。

具体的な勉強指針を話すとまずは暗記と簡単な演習で基礎を固め受験直前に過去問を繰り返し解いた。大事なのは徐々に難度を上げていくこと。見栄を張って難しい問題に挑んでもそのレベルに届かなければ何の成果も得られない。もしこの時期に理科で藁にもすがる思いをしている人がいるならとにかく原理を覚えよう。原理が分かれば解法も深いところまで考察できるようになる。それが応用につながり得点にもつながるはずだ。

以上が私の効率主義的な受験の理論である。何度も言うが自己分析こそ最優先の課題であり私の経験をそのまま模倣すればいいわけでは決して無い。正直なところ参考程度にとどめてほしい。余程の秀才でない限りこんな直前になって断捨離をしたところでたいして変わらないと思う。受験を間近に控えている諸君は真似をするなら覚悟して真似してほしい。少なくとも役に立てたなら嬉しいことである。

最後にひとつ。この文章は「、」を使わず書いたのだがお気付きだろうか?もちろん受験生諸君が「点をとる」ための願掛けである。

あまみるきー

この記事は「カオスの坩堝 Advent Calendar 2017」の18日目の記事でした。あまみるきー が担当しました。19日目はfeele担当の予定です。

コメント

  1. nininga より:

    しかも○がいっぱいあって良いですね!