原点にして、原典

初投稿なのでこれを読んでいる方々の多くとは初めましてだと思います、Ozoneと申します。主食は惰眠で油を売ることを生業としています。以後、お見知りおきを。

さて、時間を取られ過ぎて年が明ける冗長に自己紹介するのもよろしくないので本題に入るわけですが、皆さん「攻略本」という書籍はご存知でしょうか?

攻略本(こうりゃくぼん)は、主にコンピュータゲームの攻略法を取り扱った単行本・書籍の総称。同じような内容を扱っている雑誌類はゲーム雑誌と呼んで区別される。

Wikipedia先生にはこのように記されています。これだけでは具体性に欠けるのでもう少し詳しい説明をしましょう。攻略本とは、あるコンピュータゲーム(以下、簡略化のため「ゲーム」と呼称する)のストーリーの進め方、敵キャラクターやアイテムなどのデータを取り扱った書籍のことを言います。サイズは現在はB4が主流で、取り扱うデータの量によってページ数はバラバラで、ページ数に応じてお値段も変動します。

「こんな本わざわざ買わなくても、ネットで調べれば大体載ってるだろ!」

と思われる方々も多いと思います。実際その通りです。

公式の監修のもと作られているものが殆どなので、公式が公開したくない情報は載っていないし、攻略記事は著者の主観が入り込んでいるため、時折首をかしげたくなる記述もあります。しかしそこには、単なるデータの塊ではなく、人の手で作られた温かさがありました。

さらに、ネットが普及する以前は、攻略本はゲームをプレイする人々の貴重な情報源でした。筆者は5歳の頃に初めてゲームを購入してもらい、同時に攻略本も購入してもらいました。「ゲームは一日一時間」というお決まりのフレーズによってゲーム自体をプレイする時間が制限されていた当時の筆者は、暇な時間があれば攻略本を読んでいました。

ある時はネタバレを一切気にすることなくストーリーの先を調べ、またある時は自分のキャラクターをどう育成するかを考えるためにデータを漁り、索引から必要なページを探し、コラムを読み、複数の出版社のものを読み比べ、、、まさに攻略本は僕にとっての小説入門であり、教科書入門であり、辞書入門でもあったのです。ついには自分の持ってないゲームの攻略本まで購入して愛読する始末でした。攻略本は筆者にとってまさにバイブルと言っても差し支えない存在だったのです。

筆者が初めて購入した攻略本、文字通り穴が空くまで読んだ逸品です。

さて、上でも述べたように現在、インターネットでの情報交換が容易になった結果、攻略本の需要はみるみる縮小しています。特典をつけるなどの手段でなんとか購入者を繋ぎとめていますが、かえって攻略本そのものの需要の無さを浮き彫りにしています。ブック〇フに大量に並んだ、特典だけ切り抜かれた攻略本の山はこの世知辛い現状を克明に物語っていました。

攻略本は、このまま書店からその姿を消すことになるのでしょうか?

最近は、設定資料や裏設定など「公式によるネタばらし」という側面を強調したり、業界の有名人によるコラムを挟むなど「出版社による商品としての強み」を生かすなど、攻略本はそのあり方を変えて懸命に生き残りを図っています。

そこにあるのはかつて筆者が愛した「無機質なデータ集でありながらどこか書き手の暖かみを感じられるバイブル」ではないのかもしれません。ですが、攻略本という文化が世に残り続け、幼い筆者にしたように、誰かを魅了し続けることを、願ってやみません。

君たちはいつまでも僕の原点なのです。

引っ越しの際に持ってこれた本だけなのでジャンルが偏っています。前はもっと色々持っていました。

駄長文に最後までお付き合いくださって、ありがとうございました。また、お会いしましょう。

コメント

  1. pnsw より:

    感動して泣きました😭😭😭

    僕もポケットモンスターDPの攻略本をボロボロになるまで読み続けたことを思い出しました😊

    https://i.imgur.com/Y69fowC.jpg

  2. nininga より:

    攻略本の電子書籍とかいうハイブリッドはできませんか