0:初めに……
初めまして、okiyyと申します。この度は艮 鮟鱇の知り合いということで(同じ大学でないにも関わらず)カオスの坩堝に参加させていただくことになりました。何を書こうと考える中、好きなゲームやアニメについて書こうかと考えましたが、上手く纏められそうになかったので少なからず纏められそうであるプロ野球について、その中でも書きやすいと思われるFA制度について書いてみることにしました。
1:FA制度とは……
FA制度(フリーエージェント制度)はいずれの球団とも選手契約を締結できる権利を持つ選手のこと。この制度は1,993年のオフに導入され、種類は国内と海外の2種類である。現在では145日を1年として国内FA権は高卒は8年大卒と社会人は7年で、海外FAは9年で取得が可能である。その他人的補償などの制度があるが詳しくはwikiを参照してもらいたい。
2:FA権行使の理由とは……
FA権行使での移籍の理由として里崎智也(元千葉ロッテ)氏は3つに分類している。
・夢追い型
・出場機会優先型
・金銭追及型
夢追い型は「優勝したい」、「憧れのチームで」、「故郷のチームで」などがあり新井貴浩(2007年)や清原和博(1996年)、和田一浩(2007年)などが挙げられる。
出場機会優先型は涌井秀章(2013年)、藤本敦士(2009年)、平野恵一(2012年)などが挙げられる。(涌井は千葉が故郷であることも移籍の要因となった思われる)
金銭追及型は杉内俊哉(2011年)、中村紀洋(2008年)、山口俊(2016年)などがあげられる。
この3つの中で明らかに異色であるのが金銭追及型である。選手自身も人間である以上金銭を求める気持ちはわかるし、その移籍要因に異を唱えるつもりは毛頭ない。しかし、多くの金銭を持つ球団(巨人やソフトバンク)などが持たない球団(広島カープや日本ハム)より優位に立つのはいかがであろうか……
補足であるが、カープやファイターズがいわゆる持たない球団であるのは独特の経営体系にありカープは市民球団であり乱暴に言うと貧乏球団(マツダがスポンサーになり多少は完全された模様である)、ファイターズは選手全員分の年俸枠が決められておりそれを分配するというところにある。また、そもそもこの2球団は基本的にFA制度による補強を行っていない(2004年稲葉篤紀(メジャー挑戦失敗)や2017年鶴岡慎也(古巣復帰)を除く)
3:FAと球団の比較……
ここまでFA制度についていろいろと書いてきたがここ10年間の選手の移籍元と移籍先を比較してみると移籍元の最多は日本ハムの8件次いで埼玉西武の7件であり、移籍先は巨人の11件次いでソフトバンクの6件である。日本ハムが出す球団であるのは先に書いた理由に加えて選手を放出することに躊躇いのない球団だからである(新たな若手が出てくるという考えの元だが上手く若手が出てこないと昨年のようになってしまう)また、西武が出す球団になる理由は詳しくは不明だが本拠地や練習施設の環境が良くないということがファンの間で指摘されている(本年度オフに練習施設の改修が決定したため多少改善するかと思われる)
移籍先として選ばれている巨人とソフトバンクであるが、内容は対称的であり2013年以降FAによる補強を行っていないソフトバンクに対して2013年以降毎年FA補強を行っているのが巨人である。
4:FAはチームを強くするか……
もし、FA補強が単純にチームの戦力強化につながるならば巨人は常勝球団であるはずだがむしろ巨人は2015年以降優勝から遠ざかっておりFA選手が機能しているとは言い難い。(周知の通りセリーグで連覇をしているのはFA補強を行ったことのない広島カープである。)パリーグは2014年以降は16年を除いてソフトバンクが優勝している。しかし、ソフトバンクもFA補強をした中でしっかりと機能していると呼べる選手は内川聖一のみである。(その反面、他球団から引き抜いた外国人が活躍しているという部分もある。)
ここで直近10年でFA補強を行った年に優勝した球団と移籍選手について見てみよう。
2010年福岡ソフトバンクホークス(細川亨、内川聖一)
2011年読売ジャイアンツ(村田修一、杉内俊哉)
2013年読売ジャイアンツ(大竹寛、片岡治大)、福岡ソフトバンクホークス(中田賢一、鶴岡慎也)
2014年東京ヤクルトスワローズ(大引啓次、成瀬善久)
関連性は無いはずだがFA補強を行って優勝したチームで優勝したチームはすべて2名補強している。また、投手は先発のピッチャーのみである。
ここで補強した野手が同じポジションの誰と置き換わったかと補強の理由を見てみよう。
田上秀則、山崎勝己→細川亨(打撃の田上、守備の山崎にかわるバランス型捕手獲得のため)
H.オーティズ→内川聖一(怪我と成績不振のオーティズに代わる上に地元出身の選手)
小笠原道大→村田修一(統一球で成績を落とした小笠原に代わる選手)
寺内崇幸、脇谷亮太→片岡治大(仁志以来固定出来ないセカンドレギュラーを埋めるため)
細川亨→鶴岡慎也(細川の負担軽減と地元出身)
森岡良介、荒木貴裕→大引啓次(堅守のショートレギュラー)
こうして見るとはっきりとした補強の理由があることが見て取れる。しかし、この中で現在も一戦を退かずチームに貢献していると呼べる選手は先述の通り内川のみである。(村田、片岡、鶴岡は退団又は引退している)
5:FAの限界……
通常FAを取得するのは30歳前後でありスポーツ選手としては脂の乗り切った時期である。つまり、選手としてはベストのパフォーマンスを発揮して良い成績を残しFAをして高額の契約さらには複数年契約を勝ち取るというのが理想のシナリオである。しかし、移籍したはいいが年を重ねるに従って思うような成績を残せずファンから心無い言葉を浴びせられる選手も増えている。チームとしても成績を残せない高給取りの選手を使うよりも期待の若手を使おうという流れになってしまい、生え抜きの選手で無いから大事にする必要はないし自由契約(クビ)にしてしまえという最悪のパターンになることさえある。
一部球団では、本当にそこが補強ポイントなのかという補強をすることがあるし(FAに限らない)、実際に活躍するかは未知数というところがある。
それでもFA補強をやめないのは新外国人や1軍経験の浅い若手よりも活躍が見込めるというところにあるのだろう。
私自身も選手の移籍には反対しないし、むしろ今より活発化させるべきとは思っているが、お金に翻弄されて移籍し結果的に出場機会に恵まれないという選手自身の不幸につながるという悲しい移籍は減るように願うばかりである。
6:最後に
野球はベンチ入りメンバーの25人全員で戦う競技であるので一人がどれだけ打とうがどれだけ投げようが勝利につなげることは不可能である。例えば去年のヤクルトに2013年の田中将大(24勝0敗)が加入しようが優勝はできないことは明らかである(ファンの方すみません……)。また、単純に成績の上積みだけでなく、チームを引っ張っていったり、移籍先の選手の意識を変えることにつながるから補強すべきという意見もメディアでは時折耳にするが、移籍先でリーダーの役割をすぐに果たすことは難しく(復帰を除く)、近年の移籍選手には他の選手の意識を変えるほどの大物選手は少ないと思われる(あくまで私の主観であるが)。ここまで、いろいろなことを書いてきたが私自身が言いたいのはここまで書いたことを理解したうえできっちりとチーム事情に配慮し、選手を使い捨ての駒として考えず、選手自身に有益にさらには球界の発展につながるような補強をフロントは目標にしていくことがであるということである。
FA制度の説明に関してはWikiを参照しました。
この文章に対して様々な意見があるかと思われますがあくまで私の主観の元で書いた文章でありますのでご了承ください。
コメント
野球はよく分かりませんがその制度はあまり日本向きな気がしない制度ですね