フィクション

丹波橋駅のホームの上。

目の前を快速特急が通過する。

ふと思う。

ここで僕が勇気を出したら。

線路に飛び込めたら。

 

人生に悲観している訳じゃない。

ただ、飛び込む想像をする。

一瞬の激痛。

飛び散る血液、肉片。

ホームに響く悲鳴。

 

楽しくて想像してるんじゃない。

ただの癖だ。

習慣とも呼べるかもしれない。

 

結局今日も飛び込めなかった。

少しがっかりする。

 

僕が今死んだなら。

本当に死んでしまったなら。

世界は少しでも変わるだろうか。

 

両親は悲しむだろう。

でも

それ以外の世界は

あまり変わらないのではないか。

 

普段通りの

大学のクラス。

サークル活動。

高校での友達。

自分がいなくても笑って過ごす人々。

僕にはその未来が確かに見えた。

 

高校の時の生徒会長選。

死ぬのが怖い。

僕の友人がスピーチで言った。

笑いが起こった。

 

 僕も怖い。

 死んでしまってから

 この人生に意味などなかったと気づくのが。

コメント

  1. nininga より:

    どうせ死ぬなら
    世の中のために死ぬというのもありだと思うの

  2. nininga より:

    どのレベルで救うかによりますね