いまなんしとーと? – 京大クラウドストレージ と Campus ICT Labs

別の記事を書くつもりが挫折したので、軽い記事でも.

大学の課題は、高校までの課題と違い、WordファイルやPowerPoint ファイルなど、電子的に提出することが多くあります. その際、うまくファイルを整理できなかったり、データを失くしてしまう方を見かけます.

そこで、インターネット上に自分のファイルを秘密な形で保存して、どこからでも触れるようにしよう、という「ファイルストレージサービス」があります. このようなサービスは別に新しいものではなく、Google Drive やDropbox が利用されることが多いようですが、今回は京都大学の情報環境機構が公式で提供しているクラウドストレージを紹介します.

京都大学の学生全員に交付されるECS-ID を所持していれば、初めてでも手軽に利用できるというのはメリットです. また、Google Account が突然凍結されるなどといった心配をせずにデータを保全でき、Google などの他業者に自分の名前や学生番号が入った情報を渡さずに済むという利点も大きいです.

まずはともあれ、クラウドストレージ https://storage.ecs.kyoto-u.ac.jp/ にアクセスして、いつものECS-ID でログインしてみましょう. すると、下のような画面が表示され、(恐らく) いくつかの試験用ファイルが入っているはずです. このファイルは必要という訳ではありませんので、後述の方法などで削除してしまってもかまいません.

まずは、手元にある課題のうち、直近提出なものをアップロードしてみるなどすればよいでしょう. ファイルをアップロードする際には、右上の「+」にあるアップロードボタンからアップロードするなり、マウスでこの枠内にドラッグしたりするだけです. 削除するときは、右側の「…」というボタンを押して、削除ボタンを押します. これだけです. あとは、画面左下にある容量制限に気を使いつつ (公式サイトにはどのくらいなら使ってよいか明示されておらず、日々アップロードして参照して、必要が無くなれば削除して、と日々利用できるかと思います.

右側にある「…」のボタンを押すことで、ファイルの削除などができる

さて、複数人でプレゼンテーションを行なうときなど、事前に資料を共有したり、共同で編集してブラッシュアップを図ることがあります. それにもクラウドストレージは最適です.

共有ボタンを押してみると、

クラウドストレージにおける共有機能の設定

そこの入力欄にチームメンバーのメールアドレスを指定してみると、次のようなメールが送られてきます. そして、指定した方とだけ、そのファイルを共有して、設定によっては相手にも編集してもらうことができます.

あなたにファイル共有が行われました。

»5.png«を開く: https://storage.ecs.kyoto-u.ac.jp/s/(複雑なURL)


Kyoto University Storage Service for BYOD –

ダウンロード画面. 共有された相手からはこのように見える

なお、赤の他人に見られる可能性は0 とはいえませんので、有効期限を設定したり、パスワード保護を掛けてみたりするのも良いかと思います.

また、Google Drive などを使い慣れているとは、自分のPC やスマートフォンとの同期をしたいと思われるかもしれません. それも、公式クライアントを利用すれば簡単です.

Arch Linux ではpacman -S nextcloud-client とするだけで簡単に導入でき、それ以外の環境でも、クラウドストレージのシステム本体である、のNextcloud の公式サイトから入手できます. 手元のフォルダと手動自動問わず同期できるので便利です.

クラウドストレージとの同期

ちなみに、この同期技術の応用として、京都大学内のOSL では、クラウドストレージが最初から設定されています. Word やExcel の保存先として、クラウドストレージを普通のファイルを保存するのと同様に利用できます.

ここでは紹介しませんでしたが、クラウドストレージのいわば「ベータ版」とでもいうべき 京大Nextcloud が別に公開されています. こちらでは、クラウドストレージの元になっているNextcloud の新しい機能が試しに動かされています. 例えば、Web上で直接WordやExcel、PowerPointのファイルが編集できるよう改良されています. クラウドストレージにも導入される可能性があり、期待が持てます. など、バックアップは取らないなどと明示されており、利用の際にはクラウドストレージも併用するのが望ましいかと思います.

京大Nextcloud でのスプレッドシート編集

なお、この京大Nextcloud を紹介している、 情報環境機構のCampus ICT Labs というサイトでは、「京都大学のためのICTシステム」の実験場として、新しいWebサービスの実験が多数行なわれています. 学生の発案により採用されたサービス (記事タイトルの元になった、PENGUIN という11月祭の管理サイトなど) もあるので、興味のある方はコンタクトを取ってみるのもいかがでしょうか.

以上、京大クラウドストレージを概観してきました. Google Drive やDropbox より有益な、この京大クラウドストレージが普及することを願っています.  Advent Calendar 2018 6日目の記事でした.