Zen言語ライセンスに関する疑問のまとめ

2020年8月25日追記connectFree社からZen言語のライセンスについて修正が行われ、下記で提示したような疑問は解消されました。(以上追記)


この記事を読むにあたって:私は弁護士ではありません。これは法的アドバイスではありません。私は法律に関する特別な知識を何ら持ち合わせていません。私はZen言語を批判するつもりも全くありません。私は、単に自分が読んだことのある文献に齟齬を発見したために、その疑問をまとめようとしてこの記事を書いています。


connectFree社が開発しているZenという言語がある。 C言語の代替を目指している言語で、安全な組み込み用のコードが書きやすいという特長を持つ。

以前から、この言語のライセンスが気になっていた。というのも、2019年10月1日の記事には次のようにある:

個人やOSS開発においては、OSSライセンスを利用することができます。 ライセンスはAGPLv3であり、このライセンスのZenコンパイラを利用してコンパイルしたプログラムのソースコードにも、AGPLv3のライセンスが適用されます。(強調ママ)

また、2020年8月20日に公開された記事にも次のようにある:

Q. Zen 言語用のソースコードを公開したり、第三者に渡したりすることはできますか。

はい、Zen 言語用のソースコードであれば CF-RSL の範囲で公開や受渡しが可能です。(中略)ご自身で作成されたソースコード に CF-RSL と衝突しない任意のライセンス (GPLのような、リンクしたもの含めてソースコードの再配布条項があるライセンスは 「CF-RSLと衝突しない任意のライセンス」に含まれません) を設定した上で公開することは可能です。 また、CF-RSL に同意した他の Zen 言語利用者が、 そのソースコードを自分でコンパイルし自分の環境で実行することも可能です。

コンパイルする前のプログラムのソースコードに制限を掛けることは果たして可能なのだろうか。ソースコードそれ自体はそのコードを書いたプログラマの著作物である。どのように扱おうとプログラマの勝手だ、という考え方もできる。

実際、GNUのGPLを解説するページには次のようにある:

人々がわたしのプログラムを利用して得た出力結果にGPLを適用する方法はないでしょうか? たとえば、わたしのプログラムがハードウェアの設計に使われているとして、その設計図も自由でなければならないと要求することはできるでしょうか? (#GPLOutput)

一般的に言って、それは法的に不可能です。著作権法は人々があなたのプログラムとかれらのデータを使って作った出力結果の利用に関して、あなたに何の発言権も与えていません。ユーザがあなたのプログラムを使ってその人自身のデータを入力ないし変換した場合、出力結果の著作権はその人に属すのであって、あなたにではありません。もっと一般的に言えば、あるプログラムが入力を他の形式に変換する場合、出力結果の著作権の状態は、生成の元となった入力のそれを継承するのです。

これを見る限り、Zen言語のライセンスは「法的に不可能」であるように見える、というのが私の疑問である。